「広島マーダーミステリー初心者会」代表のあそびとCです。 この記事では「奇想、アムネジア(GroupSNE/cosaicさま作)」をゲームマスター目線から見た個人的な感想を書いております。 ネタバレはありませんので、これから参加される方・この作品に興味のある方も安心してお読み下さい。
内容まとめ
・アリバイ推理型シナリオ
・ゲームシステムが単純
・シンプルに推理力が試される
・マーダーミステリーに慣れた方向け
・作り込まれたストーリー、その分文章量が多い
・ゲームマスターは忙しくない
「奇想、アムネジア」ストーリーとシステム
現代日本で非常に有名なマジシャン:華城(かじょう)。 彼の別荘に様々なジャンルのプロマジシャンが招待されます。
そこで華城が殺害される、そんなストーリーです。 誰でも世界観をイメージしやすく、分かりやすい導入です。 また、今作独自の特徴(システム)はありません。 例えば「あの夏の囚人」は死者がプレイヤーとして存在します。 当たり前ですが死者と生者は会話ができません。 プレイヤーは『霊』『霊力を持つ者』『生者』の3種類。 『霊』は『霊力を持つ者』とだけ会話が可能、つまり彼らが間に入れば『霊』と『生者』は会話できます。
そんな条件の下で推理を進めるのは結構大変でした 一方、「奇想、アムネジア」はシンプル。 ゲームシステムの単純さに関しては、以前絶賛した「何度だって青い月に火を灯した」と同じです。 唯一違いを挙げるならば今作では1人、最初から『ノート』というアイテムを所持していることのみ。
本シナリオはアリバイ推理型です。 AさんとBさんは20時に食堂に居たからこの2人は犯人ではない。 という風に各自の時間と行動を調査して犯人を探します
マーダーミステリー玄人向けの作品
先程出てきた「何度だって青い月に火を灯した」と今作の決定的な違い。 それは『今作は全く初心者さんに向いていない』という点です。
まず、設定書(参加者が読むキャラクターの設定)のボリュームが非常に多いです。
今作の設定書の文章量はおよそA4用紙12~13枚分。 それだけ物語、キャラクターに関する情報が多いです。
加えて他6人のキャラクター情報。
これらをゲーム開始前に数十分の間に読み、把握する必要があります。 次に、ゲーム中に飛び交う情報量の多さ。 入手したアイテムや手がかりカード1つ1つに書かれた文章量も多く、それらと自分の情報を紐づけて謎の解明を進めます。
もちろん他プレイヤーから貰える情報もあります。 その膨大な文字の海から、自分が勝つために必要な情報だけをすくい出す作業。
良く言えば『やりごたえのある作品』 悪く言えば『非常に頭を使う作品』 ミステリー小説を読むことが好き、あるいはマーダーミステリーの経験もそこそこある玄人さん向けの作品だと思いました。
初心者さんが今作をプレイする際は初心者に向けた工夫・運営がしっかりされている会を選ぶことを強く推奨します
シンプルに推理力勝負
今作の全貌を知って最初に思った感想。 「今回はプレイヤーの推理力が試されるなあ」 これも『今作を初心者さんにオススメしない理由』の1つです。 各プレイヤーには犯人を見つける(犯人だとバレない)こと以外にやることが決められています。
例えば「〇〇をたくさん集める」「〇〇の情報を突き止める」など。 なので全ての時間を犯人探しに費やせません。
それを考慮しても犯人特定・犯行トリック解明までのプロセスが難解です。 スムーズに情報を整理して、情報の共有が上手くいけば時間内に犯行トリックが解るレベル。 皆さまは「名探偵コナン」を見たことはあるでしょうか?
だいたいどの回でもコナンくんがトリックを説明する時にアニメーションだったり図が出てきます。 そのおかげで何となく見ていても犯人がどうやって殺害したか、理解することができます。 これから今作を楽しむ皆さまは、自分の考えを絵や図で説明することも情報共有の方法の1つだと覚えておくと良いでしょう
ゲームマスターが居たら安心
ゲームマスターに求められる重要な行動は3点です。
1.「特別な鍵のかかった部屋」の管理
2.「行動順0」が実行可能か確認
3.全員がゲームの進行についてこれているか確認
「特別な鍵のかかった部屋」は当然ですが「鍵」を所持するプレイヤーのみが調査できます。
これまで述べたように今作のプレイヤーは情報の整理に追われますので、急ぐあまりルールを忘れがちです。
「鍵」を持たないプレイヤーが「特別な鍵のかかった部屋」を調査しないように注意しましょう。
管理に慣れていないマスターは、このようなプレートを作成し「部屋」カードの近くに置く方法で大丈夫です また、今作では「行動順0」のアクションを持つプレイヤーが存在します。 「行動順0」は必ずしも発動できるわけではなく、特定の条件を満たす必要があります。 その条件を満たしているか、該当のプレイヤーにさりげなく尋ねておきましょう。 アクションフェイズでの処理がスムーズに進みます。 そして先述したように情報量が多いので、初心者さんの中には 「何をしたらいいのか分からない...」 となるプレイヤーもいらっしゃいます。 これは人狼を初めて遊ぶ人が 「何を言ったらいいか分からない...」 と黙り込み、最初に追放される状況と似ています。
ゲームについていくのが精一杯、もしくは、ついていけていないプレイヤーを放置することは絶対にNGです。 そんなプレイヤーに対して相談に乗ったり、助言をさり気なくできる《気配りゲームマスター》になりましょう。
今作は全員共通のルールに加え、プレイヤーによって異なる特殊なルールが存在します。 そのため、各自が自分のルールを理解して行動する必要があります。 ただしそのルールはどれも簡単ですので、その点でゲームマスターの介入は不要です。
エンディング分岐は7パターン
ゲーム終盤のアクション処理はそこまで難しくありません。 先述した「行動順0」の処理だけ注意しましょう。 今作のエンディングは7種類。 結果どうなったのかを伝えることに意識して読み上げましょう。 この部分のゲームマスターの負担は軽めです
広島マーダーミステリー初心者会: 独自の演出
・設定書(参加者が読むキャラクターの設定)の文章を全て当会オリジナル映像化。参加者は設定書を読むこと無く世界観を理解。 ・人間関係を図式した「人物相関図」や「用語集」を作成。
広島マーダーミステリー初心者会: 独自の演出
・開催1週間前にキャラクター配布。イベント当日まで時間があるので、ゆっくり設定書の内容や人間関係を把握できた。
・オープニング、エンディングも全て映像化。「〇〇が犯人だったのかー!」と最後に驚ける映像ならではの表現を採用。
玄人向けの難しい作品とか関係なく、初心者さんにも遊んで欲しい。 そして遊び終わった時「楽しかった」と喜ばれたい。 そんな想いを込めて当会オリジナルの映像や資料を作り続けております。 実際に今作を初心者さん達が遊び、頂いた感想やリプレイ映像を下に載せています。 『自分もやってみたいな』 少しでも心に引っかかった貴方のご参加をお待ちしております。 ここまでお読み頂きありがとうございました!
広島マーダーミステリー初心者会
代表 あそびとC
「広島マーダーミステリー初心者会」代表のあそびとCです。 この記事では「奇想、アムネジア(GroupSNE/cosaicさま作)」をゲームマスター目線から見た個人的な感想を書いております。 ネタバレはありませんので、これから参加される方・この作品に興味のある方も安心してお読み下さい。
内容まとめ
・アリバイ推理型シナリオ
・ゲームシステムが単純
・シンプルに推理力が試される
・マーダーミステリーに慣れた方向け
・作り込まれたストーリー、その分文章量が多い
・ゲームマスターは忙しくない
「奇想、アムネジア」ストーリーとシステム
現代日本で非常に有名なマジシャン:華城(かじょう)。 彼の別荘に様々なジャンルのプロマジシャンが招待されます。
そこで華城が殺害される、そんなストーリーです。 誰でも世界観をイメージしやすく、分かりやすい導入です。 また、今作独自の特徴(システム)はありません。 例えば「あの夏の囚人」は死者がプレイヤーとして存在します。 当たり前ですが死者と生者は会話ができません。 プレイヤーは『霊』『霊力を持つ者』『生者』の3種類。 『霊』は『霊力を持つ者』とだけ会話が可能、つまり彼らが間に入れば『霊』と『生者』は会話できます。
そんな条件の下で推理を進めるのは結構大変でした 一方、「奇想、アムネジア」はシンプル。 ゲームシステムの単純さに関しては、以前絶賛した「何度だって青い月に火を灯した」と同じです。 唯一違いを挙げるならば今作では1人、最初から『ノート』というアイテムを所持していることのみ。
本シナリオはアリバイ推理型です。 AさんとBさんは20時に食堂に居たからこの2人は犯人ではない。 という風に各自の時間と行動を調査して犯人を探します
マーダーミステリー玄人向けの作品
先程出てきた「何度だって青い月に火を灯した」と今作の決定的な違い。 それは『今作は全く初心者さんに向いていない』という点です。
まず、設定書(参加者が読むキャラクターの設定)のボリュームが非常に多いです。
今作の設定書の文章量はおよそA4用紙12~13枚分。 それだけ物語、キャラクターに関する情報が多いです。
加えて他6人のキャラクター情報。
これらをゲーム開始前に数十分の間に読み、把握する必要があります。 次に、ゲーム中に飛び交う情報量の多さ。 入手したアイテムや手がかりカード1つ1つに書かれた文章量も多く、それらと自分の情報を紐づけて謎の解明を進めます。
もちろん他プレイヤーから貰える情報もあります。 その膨大な文字の海から、自分が勝つために必要な情報だけをすくい出す作業。
良く言えば『やりごたえのある作品』 悪く言えば『非常に頭を使う作品』 ミステリー小説を読むことが好き、あるいはマーダーミステリーの経験もそこそこある玄人さん向けの作品だと思いました。
初心者さんが今作をプレイする際は初心者に向けた工夫・運営がしっかりされている会を選ぶことを強く推奨します
シンプルに推理力勝負
今作の全貌を知って最初に思った感想。 「今回はプレイヤーの推理力が試されるなあ」 これも『今作を初心者さんにオススメしない理由』の1つです。 各プレイヤーには犯人を見つける(犯人だとバレない)こと以外にやることが決められています。
例えば「〇〇をたくさん集める」「〇〇の情報を突き止める」など。 なので全ての時間を犯人探しに費やせません。
それを考慮しても犯人特定・犯行トリック解明までのプロセスが難解です。 スムーズに情報を整理して、情報の共有が上手くいけば時間内に犯行トリックが解るレベル。 皆さまは「名探偵コナン」を見たことはあるでしょうか?
だいたいどの回でもコナンくんがトリックを説明する時にアニメーションだったり図が出てきます。 そのおかげで何となく見ていても犯人がどうやって殺害したか、理解することができます。 これから今作を楽しむ皆さまは、自分の考えを絵や図で説明することも情報共有の方法の1つだと覚えておくと良いでしょう
ゲームマスターが居たら安心
ゲームマスターに求められる重要な行動は3点です。
1.「特別な鍵のかかった部屋」の管理
2.「行動順0」が実行可能か確認
3.全員がゲームの進行についてこれているか確認
「特別な鍵のかかった部屋」は当然ですが「鍵」を所持するプレイヤーのみが調査できます。
これまで述べたように今作のプレイヤーは情報の整理に追われますので、急ぐあまりルールを忘れがちです。
「鍵」を持たないプレイヤーが「特別な鍵のかかった部屋」を調査しないように注意しましょう。
管理に慣れていないマスターは、このようなプレートを作成し「部屋」カードの近くに置く方法で大丈夫です また、今作では「行動順0」のアクションを持つプレイヤーが存在します。 「行動順0」は必ずしも発動できるわけではなく、特定の条件を満たす必要があります。 その条件を満たしているか、該当のプレイヤーにさりげなく尋ねておきましょう。 アクションフェイズでの処理がスムーズに進みます。 そして先述したように情報量が多いので、初心者さんの中には 「何をしたらいいのか分からない...」 となるプレイヤーもいらっしゃいます。 これは人狼を初めて遊ぶ人が 「何を言ったらいいか分からない...」 と黙り込み、最初に追放される状況と似ています。
ゲームについていくのが精一杯、もしくは、ついていけていないプレイヤーを放置することは絶対にNGです。 そんなプレイヤーに対して相談に乗ったり、助言をさり気なくできる《気配りゲームマスター》になりましょう。
今作は全員共通のルールに加え、プレイヤーによって異なる特殊なルールが存在します。 そのため、各自が自分のルールを理解して行動する必要があります。 ただしそのルールはどれも簡単ですので、その点でゲームマスターの介入は不要です。
エンディング分岐は7パターン
ゲーム終盤のアクション処理はそこまで難しくありません。 先述した「行動順0」の処理だけ注意しましょう。 今作のエンディングは7種類。 結果どうなったのかを伝えることに意識して読み上げましょう。 この部分のゲームマスターの負担は軽めです
広島マーダーミステリー初心者会: 独自の演出
・設定書(参加者が読むキャラクターの設定)の文章を全て当会オリジナル映像化。参加者は設定書を読むこと無く世界観を理解。 ・人間関係を図式した「人物相関図」や「用語集」を作成。
広島マーダーミステリー初心者会: 独自の演出
・開催1週間前にキャラクター配布。イベント当日まで時間があるので、ゆっくり設定書の内容や人間関係を把握できた。
・オープニング、エンディングも全て映像化。「〇〇が犯人だったのかー!」と最後に驚ける映像ならではの表現を採用。
玄人向けの難しい作品とか関係なく、初心者さんにも遊んで欲しい。 そして遊び終わった時「楽しかった」と喜ばれたい。 そんな想いを込めて当会オリジナルの映像や資料を作り続けております。 実際に今作を初心者さん達が遊び、頂いた感想やリプレイ映像を下に載せています。 『自分もやってみたいな』 少しでも心に引っかかった貴方のご参加をお待ちしております。 ここまでお読み頂きありがとうございました!
広島マーダーミステリー初心者会
代表 あそびとC